ポータブルモード
Visual Studio Code は、ポータブルモードをサポートしています。このモードでは、VS Code によって作成および管理されるすべてのデータが VS Code 自体の近くに配置されるため、環境をまたいで移動できます。
このモードは、VS Code 拡張機能のインストールフォルダーの場所を設定する方法も提供します。これは、Windows AppData フォルダーへの拡張機能のインストールが禁止されている企業環境で役立ちます。
ポータブルモードは、Windows 用の ZIP ダウンロード、Linux 用の TAR.GZ ダウンロード、および macOS 用の通常のアプリケーションダウンロードでサポートされています。お使いのプラットフォームに適した .zip / .tar.gz
ファイルを見つけるには、ダウンロードページを参照してください。
Windows ユーザーまたはシステムインストーラーからのインストールでポータブルモードを構成しようとしないでください。ポータブルモードは、Windows ZIP (.zip
) アーカイブでのみサポートされています。また、Windows ZIP アーカイブは自動更新をサポートしていないことにも注意してください。
ポータブルモードの有効化
Windows、Linux
VS Code ダウンロードを解凍したら、VS Code のフォルダー内に data
フォルダーを作成します。
|- VSCode-win32-x64-1.84.2
| |- Code.exe (or code executable)
| |- data
| |- bin
| | |- code
| | |- ...
| |- ...
それ以降、data
フォルダーは、セッションの状態、設定、拡張機能など、すべての VS Code データを含めるために使用されます。
data
フォルダーは、--user-data-dir
および --extensions-dir
コマンドラインオプションをオーバーライドします。
data
フォルダーは、他の VS Code インストールに移動できます。これは、ポータブル VS Code バージョンを更新する場合に役立ちます。その場合、data
フォルダーを新しい抽出された VS Code バージョンに移動できます。
Linux
Linux では、data
フォルダーの作成に加えて、正しいElectron サンドボックス権限を設定する必要もあります。
Chromium には、Linux 上の多層サンドボックスモデルがあります。Chromium がレイヤー 1 の名前空間サンドボックスを使用できない場合、アプリケーションバイナリとともに同梱されているヘルパーバイナリ chrome-sandbox
を介して、setuid
サンドボックスを使用しようとします。
setuid
ヘルパーの正しい権限を設定するには、次のコマンドを実行します。
sudo chown root <path-to-vscode>/chrome-sandbox
sudo chmod 4755 <path-to-vscode>/chrome-sandbox
macOS
macOS では、データフォルダーをアプリケーション自体の兄弟として配置する必要があります。フォルダーはアプリケーションと並んで配置されるため、VS Code が見つけられるように、具体的に名前を付ける必要があります。デフォルトのフォルダー名は code-portable-data
です。
|- Visual Studio Code.app
|- code-portable-data
アプリケーションが隔離されている場合、ポータブルモードは機能しません。これは、VS Code をダウンロードした直後にデフォルトで発生します。ポータブルモードが機能しないように見える場合は、隔離属性を削除してください。
xattr -dr com.apple.quarantine Visual\ Studio\ Code.app
Insiders では、フォルダーの名前は code-insiders-portable-data
にする必要があります。
ポータブル VS Code の更新
Windows および Linux では、data
フォルダーをより新しいバージョンの VS Code にコピーすることで、VS Code を更新できます。
macOS では、自動更新は常に機能するはずであり、追加の作業は必要ありません。
ポータブルモードへの移行
既存のインストールをポータブルモードに移行することもできます。
Windows、Linux
- お使いのプラットフォーム用のVS Code (またはVS Code Insiders) ZIP ディストリビューションをダウンロードします。
- 上記のように
data
フォルダーを作成します。 - ユーザーデータディレクトリ
Code
をdata
にコピーし、user-data
に名前を変更します。- Windows
%APPDATA%\Code
- Linux
$HOME/.config/Code
- Windows
- 拡張機能ディレクトリを
data
にコピーします。- Windows
%USERPROFILE%\.vscode\extensions
- Linux
~/.vscode/extensions
- Windows
例として、Windows での目的の結果を次に示します。
|- VSCode-win32-x64-1.84.2
| |- Code.exe (or code executable)
| |- data
| | |- user-data
| | | |- ...
| | |- extensions
| | | |- ...
| |- ...
macOS
- macOS 用のVS Code (またはVS Code Insiders) をダウンロードします。
- 上記のように
code-portable-data
フォルダーを作成します。 - ユーザーデータディレクトリ
Code
をcode-portable-data
にコピーし、user-data
に名前を変更します。$HOME/Library/Application Support/Code
- 拡張機能ディレクトリを
code-portable-data
にコピーします。~/.vscode/extensions
TMP ディレクトリ
デフォルトでは、デフォルトの TMP
ディレクトリは、ポータブルモードでもシステムのものですが、状態はそこに保持されないためです。TMP ディレクトリもポータブルディレクトリ内に配置する場合は、data
フォルダー内に空の tmp
ディレクトリを作成できます。tmp
ディレクトリが存在する限り、TMP データに使用されます。